進化

オカモトの事|2015/6/8

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私たちは、久留米絣という素材を用いて、様々な製品を企画・開発している会社である。
企画・開発、ということは、すなわち、オリジナル、ということに繋がるのであるが、
オリジナルということに関して、若干の疑問を感じてしまう。

厳密に言えば、オリジナル、という言葉そのものに対する疑問、ということだ。
例えば、私たちの製品で「もんぱん」という製品がある。
この製品は、要するに、モンペ+パンツで、“もんぱん” ということになるのだが、
下敷きは「モンペ」というアイテムである。

モンペは、主に農作業などに用いられてきた古き良きアイテムである。
ウエストがゴムになっていて、着脱が楽で、
なおかつ太腿の部分がルーズなシルエットなので、
動きやすくて、通気性が良い。

モンペの本質は、人間の動きに対して負荷をかけない、
という部分で極めて合理的なフォルムになっている、という点である。
作業着としての機能美を持ち、ワークウェアとして愛用された、
という意味で言えば、アメリカにおけるジーンズとは、国は違えどほぼ同義語であろう。

そして、現在、ジーンズは、その立ち位置をファッションフィールドに変えて、
多くのブランドで開発されている。
であるならば、やはり、モンペも進化すべきである、というのが私たちの見解である。
機能性という本質を守りながら、現代を生きるツールとして、
バージョンアップしていくことが筋道だと思う。
そのような思想のもと、“もんぱん” は生まれた。

そして、そこには、サルエルパンツ、というアイテムへのオマージュも付加されている。
サルエルパンツは、すでにファッションアイテムとしては、広く認知されており、
もとはイスラムの民族衣装と聞いている。

東西の国で、ゆったりとしたシルエットのものが生まれてきた、
というのは偶然なのか、それとも必然なのか。
もしかすると、東の、あるいは西の人間が、遠く異国を旅する中で、
見かけたエスニックな衣装を自国へ誘った、といったようなロマンある
ストーリーを想起しないではない。

兎に角、サルエルとモンペという、
いわば東西の機能美あふれるボトムアイテムがある、という事実。
そして、その両方への想いがあるからこそ、“もんぱん” というアイテムに和合されたのだ。
幾多の時代を経て、現在へと流れ着いたアイテムには、敬意を持たざるを得ない。

そのような事を思えば思うほど、これこそがオリジナルである、
ということを、声高に言えないような気がするのだ。

代表  和彦

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