今年の夏、私たちの会社では新たな動きがあった。
それは、地元・福岡のテレビ局KBCの「水と緑のキャンペーン」に参加させて頂いたことである。
「水と緑のキャンペーン」は、KBCが創立45周年を記念して始めた環境キャンペーンで、
今回で19回目となる、福岡でも有名なイベントである。
そのイベントで、ピーコさんが久留米絣のウェアをデザインし、販売するという企画が持ち上がり、
その製造を担う、という立ち位置で、私たちは参加をさせて頂いた。
企画は、福岡市内にある「K KURUME KASURI」という私たちと取引かあるお店と
KBCとの繋がりから始まったのであるが、その繋がりのちょっとした話のきっかけから、
あれよあれよと話が進んでいき、その話は私たちの会社にとっても大変おもしろい企画であったので、
その話を快諾して、企画がスタートした。
企画は、アサデスというKBCの番組上で、何週かにわたって、
プロジェクトの様子を紹介しながら、キャンペーン当日までの道のりを追う、
という内容であったのだが、このような形でメディアと関わっていく、
という事は初めてだったので、大変いい経験ができた。
中でも一番の経験は、ピーコさんのデザインしている姿に触れられたことだ。
ご承知の通り、「おすぎとピーコ」の一人であるピーコさんは、
ファッション評論家であると同時にデザイナーでもある。
辛口のファッション評論家である氏の評論は、ご自身の実践の礎があるからこそ、力強い。
そして、今回、その実践者としての技術をまざまざと見せつけられた。
棚に並んだ生地を瞬間的に峻別し、自分のイメージするデザインに落とし込んでいく。
その作業そのものは、非常にスピーディーで、もともとデザインが頭にあったのかと思うほどだ。
恐らく、イメージはあったのだろうけれど、実際に生地を見ながら、デザインしていく過程の中で、
それを膨らませて、仕上げていっている、という印象が強い。
柔軟かつ大胆。色使い、生地のバランス。そして、デザイン。
その一連の動きを見て、圧倒され、ただただ、私は見とれてしまっていた。
全く得がたい体験をさせて頂いたと、改めて思うのと同時に、
このような出会いをセッティングして頂いたKBCの皆様、
K KURUME KASURIのオーナー清川氏に改めてお礼を申し上げたい。
そして、デザインをして頂いたピーコさん、このプロジェクトをずっと盛り上げてくれた
徳永玲子さん、西本美恵子さん、本当にありがとうございました。
また、この場をお借りして、大変に暑い8月の日に、博多駅に並んでお買い上げ頂いた
お客様に心から感謝を申し上げる次第である。
さて、この水と緑のキャンペーン、今年のテーマは「未来に残したいタカラモノ」と
いうものであったのだが、私たちにとって、未来に残したいタカラモノが、
久留米絣であるのは言うまでもない。
そして、今回のプロジェクトを通じて、このような出会い、というものも
素晴らしいタカラモノである、ということに気づかされた。
この夏の素晴らしい思い出、そして出会い。
私たちは、これからもずっと大事にしていきたい。
代表 和彦